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Law


移民法・雇用法ニュース
雇用主スポンサー申請の効率化

雇用主スポンサーのビザ申請は、申請者に関する個人情報とポジション情報、さらに雇用主の会社詳細情報を提出します。これには例外があり、Eビザの場合は国外の米国大使館か米国領事館で初回のEビザ会社登録がすんでいれば、次回からの申請は会社審査は簡素化され、個人の審査に重点がおかれます。Lビザの場合は、移民局への個別申請は毎回同じ会社情報も提出しなければなりませんが、Lブランケット(会社一括)申請であれば、最初に関連会社のリストが承認されていれば、次回からの申請者の雇用主審査は簡素化され、個人の審査に重点がおかれます。EビザやLブランケット以外の雇用主ビザスポンサーの就労ビザ申請では、各申請者の個人資格、当該ポジション、職務条件に関する情報を提出する以外にも、複数の申請を行う雇用主は毎回同じ会社情報を提出し、毎回同じ会社情報が個別に審査されることになります。また、審査官が追加証拠の要請をする際にも、別の申請者のときに既に提出した同じ内容の追加会社情報を再度提出するよう要請されることが多々あります。したがって、現状の審査方法は、書類を提出する雇用主にとっても、審査を行う移民局にとっても、重複した作業が大変多く、非効率的な手順となっています。

このように毎回重複した審査を避け、審査の効率化を図るために、2015年に “21世紀に向けた移民法の近代化と合理化”レポートの一環として、"Known Employer Pilot"プログラムが大統領に提出されました。このパイロットプログラムは、移民局が保管する雇用主の提出書類量の軽減、個別申請者の審査基準の一貫性、移民局内部の審査の効率化および合理化、国務省や税関国境警備局の連携強化による米国大使館や入国時における審査の効率向上を目的としています。このパイロットプログラムは国籍を問わず、申請者には皆平等に適用されます。移民局は各業界から雇用主スポンサービザを頻繁に利用している大手雇用主9社を対象に1年間のテスト期間を設けていますが、今年の3月から雇用主5社がこのプログラムに参加しています。今後、参加企業の数が増える可能性もあります。移民局はこのテスト期間内に様々な情報を収集し、このパイロットプログラムの効果を検討することになります。対象となるビザ種類は、永住権申請では第1優先枠の国際役員・管理職と卓越した教授・研究員の2つのカテゴリーです。非移民短期就労ビザではH-1B、L-1、TNなどのビザカテゴリーが対象となります。

このパイロットプログラムでは、雇用主はオンラインの雇用主ドキュメント・ライブラリーにアカウントを作り、雇用主の事業、体制、財務状況に関する書類をアップロードします。雇用主が特定ビザのスポンサーとなる資格を満たしているか、移民局に事前に審査してもらうよう申請書類を提出します。雇用主の資格が承認されれば、承認後に雇用主情報に変更があったり審査自体に問題がない限りは、次回からは雇用主追加情報を提出する必要はなくなり、次回からは個人とポジションに関する情報を提出するのみになります。このプログラムにより、移民局の審査時間が大幅に短縮化されると予想されています。このオンラインの雇用主情報データバンクは米国大使館や米国領事館を管轄する国務省と入国を管理する税関国境警備局とに共有されるため、米国大使館でのビザ面接や入国審査の効率も改善されるのではないかと思われます。

このプログラムのテスト期間終了後に、プログラムの分析情報が公開されます。その結果、このプログラムを正式に施行するか、判断されることになります。

執筆:大蔵昌枝弁護士
フィッシャー・ブロイルズ法律事務所


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About Writer

大蔵昌枝弁護士

東京外国語大学中国語学科卒業。サウス・カロライナ州サウス・カロライナ大学ロースクールおよびビジネススクールのJ.D./MBA ジョイント・ディグリー課程卒業、法律博士 (Juris Doctor) および経営学修士 (MBA) の学位を授与される。在学中は、会計監査、法律文書レビュー、外国人学生の移民法関連アシスタント業務などに従事。
2004年にジョージア州弁護士資格取得。
Ogletree, Deakins, Nash, Smoak & Stewart, P.C. 法律事務所、Baker, Donelson, Bearman, Caldwell & Berkowitz, PC 法律事務所に勤務の後、現在は、フィッシャー・ブロイルズ法律事務所に勤務。雇用法・移民法など日系企業に関わる法律相談。日系のメディアに雇用・移民法記事を掲載。移民法講義やセミナー講師を務める。

著書: アメリカの陪審制度と日本の裁判員制度、陪審制度の発展と意義 (出版社:エディックス ) ”日本図書館協会選定図書” "The American Jury and the New Japanese Judicial System" The Historical Development of the U.S. Jury System, February 10, 2011