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Law


移民法・雇用法ニュース
州政府スポンサーWビザ

2017年5月4日に、アリゾナ州上院議員ジョン・マケイン氏とウィスコンシン州上院議員ロン・ジョンソン氏により ”州スポンサー・ビザ・パイロット・プログラム法 2017” と呼ばれる新規ビザの法案 (S. 1040) が提出されました。同案がコロラド州下院議員ケン・バック氏により下院にも提案される予定です。これは州スポンサーによるWビザと呼ばれる非移民短期就労ビザの一種です。このプログラムは、スポンサー州に (1) 在住、(2) サービス提供(就労)、(3) 投資、 (4) 企業の管理監督、もしくは (5) スポンサー州の経済開発プログラムに貢献する人を対象としています。現時点においてはコロラド州とマサチューセッツ州の2州が自州のビザ・スポンサー・プログラムを設けてますが、現時点ではH1Bビザを使っています。しかしながら、H1Bビザ年間枠が圧倒的に不足している為、採用はH1B枠免除の大学機関などに限られています。今回の法案では、さらに外国人の雇用枠を広げられるように、まったく別のビザを設けています。


州政府のWビザ・スポンサー・プログラムが国土安全保障省の承認を得たら、州政府が外国人労働者のWビザを申請することができます。Wビザは業種を特定していない為、専門職、非専門職などいろいろなレベルのワーカーが対象となります。有効期間は3年で、延長可能です。また、WビザはH1BやLビザ同様、永住する意思表示(dual intent) が認められますので、永住権を申請しても、Wビザでの就労や米国への出入りが影響されません。また、現行の移民法では強制退去処分もしくは入国拒否対象となる者も、2016年12月31日までに当該州に居住しており、州スポンサーによるWビザプログラムへの採用オファーがあれば、Wビザ申請と同時に強制退去処分・入国拒否適用の撤回申請をすることができます。Wビザは各スポンサー州に毎年5千枠与えられ、特定要素によって枠数が調整されます。特定州スポンサーによるWビザ保持者は、他州で就労することはできません。違反者はスポンサー州の取り締まりの対象となります。


同法案は総合移民法改正法の一部として以前上院に対案されましたが、当時は対象者が非熟練労働者に限定されていた為に可決されませんでした。これをうけ、ここ数年間のH1B年間枠不足を解消する目的もあり、今回の法案では対象者に専門職や熟練技術者も含めた為に、両議院でより幅広い支持を得られるのではないかと思われます。


執筆:大蔵昌枝弁護士
フィッシャー・ブロイルズ法律事務所
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About Writer

大蔵昌枝弁護士

東京外国語大学中国語学科卒業。サウス・カロライナ州サウス・カロライナ大学ロースクールおよびビジネススクールのJ.D./MBA ジョイント・ディグリー課程卒業、法律博士 (Juris Doctor) および経営学修士 (MBA) の学位を授与される。在学中は、会計監査、法律文書レビュー、外国人学生の移民法関連アシスタント業務などに従事。
2004年にジョージア州弁護士資格取得。
Ogletree, Deakins, Nash, Smoak & Stewart, P.C. 法律事務所、Baker, Donelson, Bearman, Caldwell & Berkowitz, PC 法律事務所に勤務の後、現在は、フィッシャー・ブロイルズ法律事務所に勤務。雇用法・移民法など日系企業に関わる法律相談。日系のメディアに雇用・移民法記事を掲載。移民法講義やセミナー講師を務める。

著書: アメリカの陪審制度と日本の裁判員制度、陪審制度の発展と意義 (出版社:エディックス ) ”日本図書館協会選定図書” "The American Jury and the New Japanese Judicial System" The Historical Development of the U.S. Jury System, February 10, 2011